霜月(11月)◆山下春径作 紅葉の小紋に綴名古屋帯(昭和50年代後半) | 着物レンタルあき

2011年5月に最終回を迎えた、「昭和の着物語り・今よみがえる90年前の色彩」では、栗谷家に伝わる大正から昭和初期の着物をご紹介いたしました。
引き続き、2011年7月より昭和40~50年代を中心に「昭和時代の着物」をご紹介して、はや1年が経過いたしました。
2012年7月からは、昨年ご紹介した帯には着物を、着物には帯を合わせてコーディネートした形でご覧頂きます。

【昭和の着物語りー季節の特集】

霜月(11月)◆山下春径作 紅葉の小紋に綴名古屋帯(昭和50年代後半)

安部麗子(あき渋谷店店長)所蔵

水澄む爽やかな気候になり、山々の紅葉が美しい彩りで私たちの目を楽しませてくれます。
又、都会の街路樹の葉も色づき始め、深まる秋を予告しています。

11月は茶人正月と称される炉開きの月です。

炉開きでは、その年の新茶を茶壷から取り出し石臼で抹茶に引いて頂くそうですが、
以前経験した「口切の茶事」では、懐石が進行している間に実際に石臼を引いている
音のみの演出でした。

かつて11月19日の「宗旦忌」に、京都の裏千家今日庵、兜門の手前で

「お茶壷道中」
をお迎えしたことがあります。

当日の薄茶席は、15代宗匠夫人、千登美子さまのお席でした。
先に私どもの先生のみお席に入られ、社中は茶室の外で終了するのをお待ちして
おりました。

そこを通りかかられた、15代鵬雲斎宗匠(千玄室大宗匠)は、私たちが芝村社中である
ことに気づかれ、私どもの背中を押すようにして、水屋から先生と一緒のお席に
案内して下さったのです。

遠い日の出来事ですが、固くご遠慮すべきであったのではないかと、
今でも心に迷いがあります。
お家元自ら、水屋から席中に通してくださるなどとはあり得ないことで、私どもの先生
あってのご配慮であったかと思います。

その思い出とともに、登美子夫人の洗練された美しい装いは、私が今まで
お目にかかったご婦人の中で、最高の気品を兼ね備えておられました。

◆今回ご紹介する、紅葉の小紋は正式なお茶事には向きませんが、10月末から11月の
 お茶の稽古に着用しています。

◆帯は、この小紋に合わせて雲柄の綴名古屋帯を購入しました。
 他の着物にも合わせやすい帯ですので、約30数年間愛用しています。

 帯アップ画像

◆秋を象徴する紅葉柄の小紋につづれ帯のコーディネート
 です。(2011年11月掲載の「紅葉の小紋」のコメントは下方にあります。)

 帯アップ画像

◆綴帯は、かたく結びにくいですが帯の形はすっきりとします。

◆バストアップです。
 帯締めの深緑のぼかしが全体を引き締め、効果的かと思います。
 着物と帯との調和を考慮し、糸を選んで手組で組んでいただきました。

◆長羽織を合わせてみました。
 羽織は、体型を隠してくれますし、塵よけにもなります。
 また、少々派手になってしまった着物は羽織をはおることにより、控え目な装いにな
 る等、羽織は便利なアイテムです。

◆羽織紐の代わりに、スペインの古都トレド土産、象嵌のブレスレットを使って遊ん
 でみました。
 位置は帯幅中心の帯締めの結び目と帯の上部の2分の1がバランス的によろしいで
 しょう。

帯橦木画像

☆2011年11月掲載、「山下春径作・紅葉の小紋」はこちらから

☆12月は「本疋田総絞り」の長着に合わせて、椿柄の名古屋帯をご紹介の予定です。

☆過去の「昭和の着物語り」はこちらから

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