長月(9月)◆単衣色無地に秋の野模様袋帯 | 着物レンタルあき

2011年5月に最終回を迎えた、「昭和の着物語り・今よみがえる90年前の色彩」では、栗谷家に伝わる大正から昭和初期の着物をご紹介いたしました。
引き続き、2011年7月より昭和40~50年代を中心に「昭和時代の着物」をご紹介して、はや1年が経過いたしました。
2012年7月からは、昨年ご紹介した帯には着物を、着物には帯を合わせてコーディネートした形でご覧頂きます。

長月(9月)◆単衣色無地に秋の野模様袋帯

安部麗子(あき渋谷店店長)所蔵

朝夕は、ようやく凌ぎやすい気候になりました。
6月の単衣に始まり、7月8月のうす物、そして9月の単衣へと1年の中でも、着物の装いが刻々と変化するこの時期が好きで、着物生活を楽しんでいます。

単衣の時期は月の前半と後半ではかなり気候が変化します。
9月の前半は夏仕様のコーディネート後半は冬仕様になります。

今回ご紹介する「単衣の色無地」は、白生地から染めました。
色彩も想像していた色に染め上がり、満足しています。
家紋の「丸に三つ鱗」も、ぱっちりと白上がりで染め抜かれています。
染め抜き紋は、格調高く背面に緊張感を与えます。

白生地は30数年前、友人のご実家が丹後縮緬を扱う商家でしたので、3丈ものと4丈ものを2反購入させて頂きました。
4丈物は袷の共裾色無地に、そして3丈ものを今回の単衣の色無地に染めました。
この着物に袖を通す度に、白生地を手配して下さった、今は亡き友人の牧井さんを偲んでいます。

9月9日の重陽の節句(菊節句)のお茶会には、この色無地に紗の袋帯で出かけましょうかと予定しています。

◆「縮緬の色無地に、秋の野模様の袋帯」を合わせた9月後半のコーディネートです。朱色に金が少々組み込まれている帯締めを合わせました。(2011年9月掲載の、「秋の野模様の袋帯」のコメントは下方にあります。)

正面_全体

◆バストアップです。(9月後半のコーディネート)
帯は、秋の草花、おみなえし、桔梗、菊、ススキ、の季節の装いです。

バストアップ

◆後姿です。

後姿

◆日本の着物の季節感を表現した背面の美は、海外でも高く評価されています。

後姿

◆下の画像は同じ色無地に紗袋帯を合わせた9月前半の装いです。長襦袢、
帯揚げ、帯締めも夏仕様になります。

正面_全体

◆バストアップです。
露芝に菊の刺繍、お太鼓柄の紗袋帯に、着物と同色のレースの帯締めを合わせ、涼しげな装いになりました。

バストアップ

◆お太鼓結びの後姿です。
秋草の草むらから、鈴虫の鳴き声が聞こえて来そうな気配です。

後姿

◆最後に、9月前半と後半のコーディネートを比較してみました。

比較姿

☆2011年9月掲載「秋の野模様本袋帯」はこちらから

春夏秋冬、季節の移ろいとともに、その時候にふさわしい着物を身にまとうのは、何と心豊かなことでしょう。

☆10月は2011年10月掲載、熊谷好博子作「竹と菊模様の訪問着」に武田菱の本袋帯のコーディネートをご紹介いたします。

☆過去の「昭和の着物語り」はこちらから

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