安部麗子(あき渋谷店店長)所蔵
日本には四季があります。四季それぞれの気候が日本文化に与えた影響は計り知れません。
着物文化もその一つです。ファッションの発信地である都が、長らく京都にあった関係で、着物は京都の気候風土の影響を受けて発展して来ました。
その中で夏の着物は、蒸し暑い京都の夏を如何に涼やかに過ごすかに工夫を凝らしました。
周囲に涼感を与える透ける材質(紗や絽)、あるいは、着ると涼しい麻等の素材が利用されました。
今回は、波のゆらぎが涼やかな黒い紗に、金銀の鯉が織り出された紗袋帯です。
水面がゆらぐ池で、静かに泳ぐ鯉の姿は着る人のみでなく周囲の方々にも涼感を与えることでしょう。
この模様を手描きではなく織で表現したところに、この帯の価値があると考えます。
◆一幅の絵のような芸術的な帯です。 ◆お太鼓のたれ先の部分の水面の漣も配慮が行き届いておしゃれです。
◆帯の前面です。銀の鯉が涼しげです。
◆着装の心理として、芸術的な帯を身につけるのは、気が引き締まり、装う人を美しく見せます。
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